2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『広辞苑』の「来し方行く末」

(第43号、通巻63号) 1週間前の24日、朝刊各紙に岩波書店の『広辞苑』第6版の改訂内容が紹介された。「ニート」「デパ地下」「いけ面」「メタボリック症候群」「逆切れ」……。新しく収録される語に焦点をあて、毎日新聞は1面の左肩の囲み、朝日新聞は社会面…

「王道」へは“狭き門より入れ”

(第42号、通巻62号) ある全国的な組織の季刊誌の編集委員として編集後記に「春4月と言えばスタートの月、心はずむ季節である。春風に舞い上がったわけではないが、今月からラテン語を独学で始めてみようと思い立った」と書いたことがある。印欧語の祖語で…

「先斗町」と「有平塘」の意外な共通項

(第41号、通巻61号) 標題にある「先斗町」は、改めて言うまでもなく京都の有名な花街であり、代表的な観光スポットでもある。もう一つの「有平糖」は飴菓子の一種だ。一見、互いに関係なそうなこの二つの語の間に、実は隠れた共通項があるのである。 有平…

「天地無用」は「上下」だけの問題なのか 

(第40号、通巻60号) 通信販売で購入した家電製品が先日、宅配便で届いた。段ボールの外側に「天地無用」とあった。もちろん、これは人気アニメのタイトル『天地無用!』の方ではなく、引っ越し荷物などの外側によく張られているラベルのことだ。上下逆さま…

「失念」と言えば聞きよい「物忘れ」

(第39号、通巻59号) 若い頃は、ちょっぴり背伸びしてインテリの匂いのする外国語や難しい漢語を使いたがるものだ。大学に入ってまだドイツ語のABCも満足に発音できないのに、女の子のことを「メッチェン」とドイツ語めかして言ったり、金欠状態を「ゲルピ…