2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

続・京の祇園で「祇園精舎の鐘の声」は聞こえるか

(第169号、通巻189号) 平家物語の「祇園精舎」が古代インドにあった寺だとすると、その鐘の声が京都の祇園で聞こえるはずはない。ただ、京の「祇園」はそもそも「祇園精舎」から取った名前なのである。 釈迦が説法活動の拠点としていた祇園精舎は、「牛頭…

京の祇園で「祇園精舎の鐘の声」は聞こえるか

(第168号、通巻188号) 前回のブログで取り上げた文楽と狂言。私が鑑賞した舞台は、京都観光客向けの「ギオンコーナー」(伝統芸能館)だ。名前の通り、花街・祇園にある。祇園といえば、舞妓さんだ。花のかんざし、だらりの帯にポックリをはいて歩く姿が思…

黒衣と狂言回し

(第167号、通巻187号) 文楽、狂言、雅楽、京舞、茶道、琴、華道。いずれも日本の代表的な古典芸能である。しかし、茶道、琴、華道はともかく、前の方の4種類は平均的日本人にはふだん縁遠い芸能だろう。私自身、テレビなどでチラリ目にしたことがあるとい…

「ご査収ください」。それに対する返事は?

(第166号、通巻186号) 学窓を巣立って間もなく社会人になる若者たち。これまでの人生で使ったことのない言葉に直面し戸惑うことも多いはずだ。そんなビジネス用語の一つに「ご査収ください」がある。査収の意味について、小学館『大辞泉』は、「金銭・物品…

「ひな祭り」と桃太郎 

(第165号、通巻185号) 3月3日は「桃の節句」。私の家族にとっては「雛(ひな)祭り」を祝う日であると同時に特別の記念日でもあるのだが、なぜ「桃の節句」というのか、これまで深く考えたことはなかった。単に桃の花が咲く時季《注1》といっしょだから…