2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」とは言うが……

(第271号、通巻291号) 万葉集に1番多く登場する花はハギ。140首余りあるという。次いで118首のウメ。意外なことにサクラは、ウメの3分の1しか詠われていない《注1》。しかし、現代日本でダントツに人気があるのはサクラだろう。 桜と梅。二つの樹木の…

風光る月

(第270号、通巻290号) 山形県A町の小さな小学校のN校長から定期的にブログ通信《注》が送られてくる。先日届いた最新号は卒業式での校長あいさつ特集だった。タイトルに「風光る3月に旅立つ君へ」とあった。当ブログの前号と前々号は卒業式の定番の歌に…

『蛍の光』の「かたみ」は「形見」か

(第269号、通巻289号) 悲恋映画の傑作の一つ「哀愁」《注1》。主人公役のロバート・テイラーとヴィヴィアン・リーの2人が初めてのデートでダンスをした時の曲は、映画の中では「別れのワルツ」といった。ロウソクが1本、また1本と消されて暗くなってい…

「今こそ別れめ」は「別れ目」ではない!

(第268号、通巻288号) 弥生3月は旅立ちの季節。私の小中学生時代は、卒業式のたびに「蛍の光」と「仰げば尊し」《注1》を歌った、いや歌わせられたものだった。今や、卒業式の音楽も多様化し、昔ながらの「定番」を歌うのは珍しくなったというが、先日の…