2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧
(第116号、通巻136号) 「漱石の孫」で有名な漫画家にしてコラムニストの夏目房之介氏の『孫が読む漱石』が今月初め、新潮文庫版に装いをかえて刊行された。この文庫本に触発されて漱石の作品のいくつかを久しぶりに読み返していたところ『こヽろ』の中にこ…
(第115号、通巻135号) 文字の代用の役割を持つ記号の話題を紹介した前回に続いて、記号に関連したテーマを取り上げるが、今回は軽いトリビアもので一服しよう。 我が家の固定式電話機。最近は「イエ電」と言うようだが、シャープ製である。一昔前に買った…
(第114号、通巻134号) 前回は、読み方が一番多い漢字として「生」を取り上げたが、実をいうと「生」よりはるかに多様多彩で何通りにも読み方のできる‘表記’がある。標題の「々」「〃」「ゝ」などの一群である。 踊り字とか畳字(じょうじ)とか重ね字ある…
(第113号、通巻133号) 「生と死」。対義語でこれほど両極端な関係のものはあるまい。「せい」と「し」。実は意味だけでなく、読み方の上でも際だって対照的だ。「死」の読みは音、訓とも同じで、「し」一つしかない。それに対して「生」は音読みこそ「せい…