2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「とても」は「全然」と、とてもよく似た?副詞 

(第29号、通巻49号) 前回取り上げた二つの単語のうち、「こまぬく」については、知らなかったという人が多かったようだが、「全然」の方については、「とても」という語とよく似ているのではないか、との指摘が寄せられた。言われてみるとまさにその通り。…

手を「こまねく」か、「こまぬく」か、どちらも「全然OK」  

(第28号、通巻48号) 言葉は時とともに変わるものだ。語彙はもちろん、文法も語法も例外ではない。典型的な例として「全然」と「拱(こまぬ)く」の2語についてみてみよう。 まず「全然」という副詞から。ふつうは、下に打ち消しの言い方や否定的な語を伴…

続・「利休鼠の雨」とは?

(第27号、通巻47号) 『城ヶ島の雨』の歌詞の中で分かりにくいところがもう一個所ある。5行目の後半の「通り矢のはな」だ。「通り矢」は、「(京都の)三十三間堂の通し矢」で知られるように、普通は「通し矢」という。もともとは、矢先を上に向けないで遠…

「利休鼠の雨」とはどんな雨?

(第26号、通巻46号) ある言葉が若い世代には常識でも、年配者は聞いたことすらない、というケースは珍しくない。常識の“すれ違い”は言葉に限らない。歌でもよくある。 先日、ある人の「偲ぶ会」で、篠笛を修行中の知人が追悼の思いを笛の音に託して「千の…