2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

目の前の選手に「ゲキを飛ばす」とは            

(第12号、通巻32号) 選抜高校野球、プロ野球、サッカー……。春、スポーツの季節が幕開けすると、新聞のスポーツ面も躍動する。同時に、紙面にはある定型句の登場が多くなる。「激(ゲキ)を飛ばす」という表現だ。監督や指導者が選手・部下などに活を入れた…

「冥王星する」=to plutoの意味は?               

(第11号、通巻31号) いささか旧聞に属するが、英語で「冥王星」を意味する“pluto”という単語が今年1月の米国方言学会(ADS)で、2006年の“Word of the Year”(今年の言葉)に選ばれた〈注1〉。 正式には、動詞として、つまり“to pluto/be plutoed”(降格…

『蛍の光』の「かたみ」は「形見」か 

(第10号、通巻30号) 卒業式の歌としては「仰げば尊し」とセットの小学唱歌「蛍の光」〈注1〉も、歌詞を読み解くのは難しい。「仰げば尊し」と同様に係り結びがあるだけではない。掛詞(かけことば)も隠されているからだ。うっかり見過ごす、いや歌い過ご…

「今こそ別れめ」は「別れ目」ではない  

(第9号、通巻29号) 弥生3月は旅立ちの季節。私の小中学生時代は、卒業式のたびに「蛍の光」と「仰げば尊し」を歌った、いや歌わさせられたものだった。文化庁が募集していた「親子で歌いつごう 日本の歌百選」がこの1月に発表されたが、懐かしの「仰げ…