2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「杜」と「森」の違い

(第199号、通巻219号) 今回は、3週間前の196号のブログで「森」と「林」を取りあげた際に宿題としていた「杜」について述べてみたい。 「杜」と「森」の違いは、普通の国語辞書でははっきりしない。と言うより同じ言葉として扱っている。岩波書店の『広辞…

捜査の「見立て」が筋違い?

(第198号、通巻218号) 「見立て」というと、どんなことを連想するだろうか。「ネクタイの見立てがいい」とか「あの医師の見立てはしっかりしている」とかの類だろう。見立て、という言葉は、他にも様々な意味を持つ多義語だが、「検察の見立て」とか「捜査…

「証拠改竄」の「竄」の意味・由来は?

(第197号、通巻217号) 郵便不正事件の捜査の過程で大阪地検特捜部の当時の前田恒彦主任検事が「証拠を改竄(かいざん)した」として11日、証拠隠滅の罪で起訴されたが、この事件をめぐる報道の中で、「改竄」という語がしばしば使われている。実際には「竄…

続・「森」は「林」より木が多いか

(第196号、通巻216号) 前号の末尾で紹介した“学究派”の説――人間の手が入らず自然のままに生えているのが「森」で、人間が手を加えて人工的に育てたのが「林」――は、実は語源的にも有力な説なのである。 各種の国語辞典や語源辞典の説明をかいつまんでまと…