凶暴化した「水」の恐ろしさ
(第219号、通巻239号)
「地球は青かった」といったのは、ちょうど半世紀前、人類として初めて大気圏外から地球を見たソ連のガガーリン少佐(当時)だった。青いのは海、すなわち水の色である。水は地球上に生命を作った母である。誕生後も生命は水なくしては生きられない。
水はエネルギーもまた自ら作る。その名も水力発電はまさしく代表である。いや、原子力発電ですらそうなのだ。核燃料を分裂させると熱が出る。その熱を利用して蒸気タービンを回し発電しているのである。
使い終わった燃料の余熱をさますのもまた水である。大型コンピューターもそうだが、水はモノを冷却するのに必須の物質なのである。水冷エンジンの自動車はそのものずばりだ。
同時に、破壊力もけた違いにすさまじい。「3・11」の大津波の破壊力は言語に絶するものだった。人の命を奪い、家屋も学校も役場も橋も道路も、根こそぎ弄ばれ、壊された。港の大型漁船が街中まで運ばれた。
命を生み育む神が、時に凶暴な悪魔に変身するとは。世のあらゆる物を壊して流れ去り、破壊の限りを尽くす。地震と大津波の惨禍はいまだ目に焼き付いて離れない。まだ身元が分からない人も数え切れないほどいる。助かった人々も家を失い、食べ物もなく、寒さに震えている。追っかけるように放射性物質の汚染の恐怖が広がる。
いつものようなブログはまだとても書けそうにない。