「3.11」大地震

(第218号、通巻238号)  
    10年前、アメリカで起きた同時多発テロ「9.11」は空からの攻撃だった。今回の東日本大地震「3.11」は海底からだ。共に、未曾有の出来事である。3.11は、しかも大地を揺さぶって大きな亀裂を至る所に作っただけでなく、想像を絶する大津波を引き起こした。津波は、港はおろか街を殲滅し、おびただしい人々の命を奪った。
    信じられないような惨禍をテレビの映像で見るたびに胸が締め付けられる。新聞で「私の家も家族もどうなっているか分からない。けど、こういう時、働くのが使命だから」と語る県立宮古病院の看護師の言葉を目にした。さらに原子力発電所の破壊による放射性物質の飛散が追い打ちをかけている。目に見えぬ恐怖“透明汚染”だ。今問われているのは、国家的危機にいかに対処すべきか、である。
    大地震の「大」を「おお」というか「だい」というか、とか、元首相が誤読した「未曾有」の意味がどうとか、なんて言っている場合ではない。ブログに駄文を書く気持ちにはとうていなれない。